坂を上がってくる車が見えた
 
 
もうそんな時間…
 
 

急いで身支度を整え、
飾ってあった黄色の花をひょいと引き抜き
玄関に速足で向かった。
 
 

呼び鈴がなるのと同時に
私は扉をゆっくりと開いた
 
 
 

「こんにちは、よく来たわね」
 
 

彼女はうつむいたまま、
男性職員の元を離れ、私の方に歩いてきた
 
 
 

まだ、足のケガが治りきっていないせいか
それとも、極度の不安を抱えているせいか
足取りは、ひどく重たかった
 
 

私は彼女を抱き上げ
持っていた黄色のお花を手渡した。
 
 
 

「今日から、私と一緒なんだから安心して大丈夫よ」
 
 
 

声を上げずに、泣きじゃくる彼女の姿が
まるであの日の自分の様で
私はぎゅーっと、彼女をそして小さな自分を抱きしめた。
 
 
 

彼女はなかなか施設の環境に慣れなかったけど
私にはとても懐いてくれた

二人で図書室で本を読み、感想を言い合ったり
物語の世界の続きを考えたりして遊んだ。
 
 
 

心と身体の傷が癒えてきた頃からは

小さな子の面倒をよく見てくれて
施設の中で「ちびママ」と呼ばれていた。

世界に一人きりになってしまった…と言っていた彼女に
兄弟姉妹が沢山できた
 
 
 

あの彼女が帰ってくるからと
ちびママにお世話になった
今はすっかり大人になった子たちがソワソワと待っている。
 
 

時々大きな笑い声も聞こえて
今日の施設はとっても賑やかで嬉しい。
 
 

私はベッドの中で、彼女の帰りを待っている。
 
 
 
彼女の著書を読もうと思ったけど、
重すぎて、もう私には支えられないから
 
 

彼女が帰ってきたら、読んで聞かせてもらおうと思っている。

ベストセラー作家さんのサインももらわなくちゃね。
 

そんなことを思っていたら、

二人だけで使っていた、
秘密の合言葉の囁きが聞こえてきた
 
 
 

「ルーベンス」

「ジョルジュ・ルオー 」
 
 
 

黄色いお花と一緒に、笑顔の彼女が走ってきた。
 
 
 
 
 

印綬は「心の星」

印綬は「聖母マリアの星」「母性の星」「知性の星」などと言われていますか、

それと同時に、私は「心の研究科」の星だと思っています。
 
 
印綬さんって、スローペースの方が多くて
そのペースのおかげもあってか、

人の心の動きをとてもよく観察されているな
と鑑定でお話を聞かせていただくと思うことがあります。
 
 
もちろん、自分の心にも向き合わないと
なかなか進めないタイプ　だからこそ

印綬さんは、人を受け止めることが出来るんですよね。
 
 

そして、印綬さんはホントに勉強家
本を読んだり、セミナーに参加したり
常に自分の知識を増やしていくことを熱心にされる方が多いですが
 
 
それも最終的には

誰かの事を分かってあげたい、とか
自分の事をもっと分かりたい　、とか
誰かに何かを伝えられる人になりたい、とか

そんな優しさから来ている気がしています。
 
 

新しさ、斬新さ、スピード勝負は得意分野ではないかもしれませんが

人から学ぶ力が強く
ロングスパンで物事に関わっていくことができるのは
才能の大きな特徴と思います。

だから、印綬さんは
 
このスピードが速い現代に惑わされずに
自分の心の速度に合わせて生きていけたら良いね！！！
 
 
それは、自分だけの為だけじゃなくて
「誰かのために」に自然に繋がっていく人だから。
 
 
 
 

オリジナル星の物語はこちらから

 
 
ついにー、十二運星と通変星書き終わったが…
思えば、物語っぽく書いていないのもあるから
そのうち、また更新します(笑)

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